取りたい資格ランキングとその理由とは?【2022年版】

目次

人気資格ランキングと取りたい資格ランキングの違い

資格の学校TACが「2022年人気資格ランキング」を発表しました。
また、資格情報の紹介メディアを運営するメディアエクシードも、20代~50代の男女を対象に行なったアンケート調査結果「2022年に取りたい資格」を発表しています。

ランク人気資格ランキング(資格の学校TAC)取りたい資格(メディアエクシード)
1日商簿記検定日商簿記検定
2公認会計士FP技能士
3宅地建物取引士宅地建物取引士
4社会保険労務士ITパスポート
5税理士Microsoft Office Specialist
6FP技能士行政書士
7中小企業診断士社会保険労務士
8情報処理・パソコンTOEIC
9行政書士電気工事士
10建築士(一級・二級)登録販売者

TACとメディアエクシードのランキングの違いは「誰を」対象にしているかの違いによるものです。

TACのランキング集計は、専門学校に資料請求があった数、メディアエクシードのランキング集計はインターネットで広く公募したアンケート調査結果です。

取りたい資格ランキングには、私でもチャレンジできる資格があるよ!

では広く一般の人を対象としたメディアエクシードのランキングが日本人の意見をより強く反映していると言えるでしょうか?

アンケート調査結果について考える前に、「資格の種類」について知っておく必要があります。

「資格」の種類について

資格の種類と人気には密接な関係が

資格には国家資格、民間資格などの区分だけではなくいろいろな種類があります。

資格の種類

©まなびどき

この表は、資格の種類について細分化して分類したものです。

国家資格には4つの分類がありますが、業務独占資格の多くは名称独占資格で、業務独占資格と設置義務資格を併せ持つ資格もあるので、すべての国家資格がこの区分に単純に分類できるわけではありません。

では、先程の「2022年に取りたい資格」をこの区分で分類してみましょう。

この表から、国家資格とそれに準じる公的資格の人気が高く、なかでも「業務独占資格」の人気が高い事がわかります。

業務独占資格」は、その業務をおこなえるのが有資格者だけに限定されるため、その業務を行いたい事業所は有資格者を雇用するしかありません。
そのため、有資格者の労働市場での価値が高くなり、就職や独立がしやすくなります。

例として「業務独占資格」の代表格である「医師」の就業率をみてみましょう。

引用:女子医師の年次推移(厚生労働省)

医師の就業率は、資格取得直後で90~95%と高い水準で始まり、60歳でも約85%と高い数値を維持している事がわかります。

その後も65歳で70%オーバーと驚異的な就業率を維持しています。

女性医師についても、35歳付近で一時的に出産、育児等で離職した女性医師が、育児が終了する60歳以降ですぐに復職できていることが分かります。

比較対象として日本全体の就業率を見てみましょう。

年齢別・男女別就業率の変化(2017年)

特に女性と高齢者の就業率が医師の就業率より大きく下回っています。

医師は、就業で不利な要因となる出産や高齢などの影響を受けづらい有利な資格であることが分かります。

このように、私たちの生活に直接影響するような重要な業務の「業務独占資格」は、就業という面で圧倒的に有利働くことが分かります。

もちろん「医師」や「弁護士」は最難関資格で極端な事例ですが、程度の差はありますがその他の業務独占資格を持っていることが、就業に有利に働くことに違いありません。

資格を否定する意見について

それでは、国家資格、中でも業務独占資格にしか価値は無いのでしょうか?

ネットには「資格は意味ない」とか「社会人の資格取得はムダ」などの否定的な意見が氾濫しています。

そもそも自分が「なんのために資格を取得したいのか」それをはっきりしておかないと、ネットの中身のない意見に右往左往してしまうことになりかねません。

今回のランキングをもう一度見てみましょう。

両方のランキングで同率1位になっている簿記資格は国家資格ではありません。
また簿記資格を持っていても必ず就職できるわけでもありません。

ですが、日商簿記資格は、実際の会社の経理・会計に合わせた試験内容になっているために、試験勉強で身につけた内容が会社で役に立ちやすいと評価されています。
そのため、民間会社の経理部門だけではなく、公務員などでも試験受験が奨励される場合が多い資格です。

持っていても就職に有利ではないから「意味は無い」は非常に短絡的な考えです。

なぜ野菜ソムリエの受験者は減らないのか?

野菜ソムリエ」について多くの人は耳にしたことがあると思います。

2001年に「ベジタブル&フルーツマイスター」の名称で始まったこの資格ですが、その後順調に受験者を増やし、2010年に「野菜ソムリエ」と名称が変更されました。

有資格者は全国に5万3千人(2017年)もいる人気資格です。

野菜ソムリエを受験するためには、必ず公式の養成講座(通学制、半通学制、地域校、全通信制の4通り)に通う必要があります。

野菜ソムリエは、資格取得までの受験費用が高いことでも知られていて、取得には148,000円(税込)が必要となります。

上級の資格となると更に費用がかかり、野菜ソムリエプロが320,500円(野菜ソムリエ取得済みの場合172,500円)、野菜ソムリエ上級プロの場合は、野菜ソムリエプロで実績を積んだのち、さらに受験費用270,000円を支払って取得することになります。

野菜ソムリエ上級プロになるためには、資格取得だけで590,500円も必要となります。

それでも受験者が増え続けているのは、飲食業や農業はもちろん、医療、教育、地域活性などいろいろな局面で野菜ソムリエという資格を有利に使っている人達がいるためです。

ネットで「就職に役に立たない資格なんて意味がない」と熱弁を振るう方々と、「自分の仕事にこの資格がどうやって活かせるだろう」と考える人たち、どちらの意見があなたに響きますか?

資格にチャレンジする皆様へ

ランキングを見て「よし公認会計士になろう」と決める方はいないと思いますが、簿記試験に興味がある方がランキングを見て背中を押されることはあるかもしれません。

そこでまずは深呼吸、自分にその資格が必要か今一度考えてみてください

TACによれば、簿記3級に合格するための標準勉強時間は100時間、人によってばらつきはありますが、全く会計知識がない方が日商簿記3級に合格するためには、集中しても2週間以上の学習期間が必要になるはずです。

資格取得のためには費用もかかります。

受験費用は、2,850円だけですが、資格試験のためのテキスト、問題集などで独学でも1万円前後の費用がかかります。

スクールに通学して勉強する場合は、更に時間と費用の負担が増えてしまいます。

取得に関する時間と費用、それにあなたの「簿記3級が必要と考える気持ち」を天秤にかけて、どちらに傾くでしょうか?

何かを学ぼうと思う気持ちが無駄になることはありませんが、時間が有限なのもまた真実です。

資格の取得には、無理のない計画を立ててゆとりを持って挑みましょう

わたしもチャレンジしてみよう!

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