「30代未経験者がプログラマーになることは難しくありません。」
この記事の結論はこれが全てです。
Googleからこの記事にたどり着いたあなたは新しいスキルを身に着けてIT技術者として働きたいと考えているはずです。
長く不況が続く日本では、特殊な技能を持たない労働者の昇給は期待できない状況が続いています。
安定した雇用と給与を望む場合は、公務員になるか、手に職をつけて専門職として働くぐらいしか選択肢がありません。
後者の場合、求人倍率が高く、売り手市場のプログラマーはおすすめの選択肢です。
あなたがプログラマーになることをためらう理由が、「年齢」にあるのならぜひこの記事をご覧ください。
35歳で引退?プログラマーの平均年齢が低い理由とは
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、プログラマーの平均年齢は37.3歳、IT技術者の中でも平均年齢はかなり若いことがわかります。
◎令和3年 職業従事者の平均年齢(IT技術者を抜粋)
職種 | 平均年齢 |
---|---|
SE | 40.3 |
ソフトウエア作成者(プログラマー) | 37.3 |
その他情報処理 | 41.0 |
プログラマーは若い人の仕事という意見は未だに根強く「プログラマ35歳定年説」がまことしやかに語られてきました。
その理由として以下の理由があげられることが少なくありません。
- 能力が衰える
- 採用が若者優先
- 新しい技術を吸収できない
- 管理職になることが多い
ちなみに、このプログラマー30代引退説は、一般家庭にPCが初めて登場した時代から言われ続けてきました。
パソコンが一般家庭に登場(1970年代)したときに10代だった若者も今では60代・・・。
IT技術が急成長し、PCがこれだけ一般化してもなお、古びた常識に囚われている人がいかに多いか分かります。
なお、マイクロソフトでWindows NTを開発したデヴィッド・カトラーは70歳を超えても現役でプログラミングをしています。
国内の例で言えば、iPhoneアプリ「hinadan」の作者若宮氏は80代で初めてスマホアプリ開発を行いアップルストアで公開しました。
もちろん一部の天才だけを例に上げて一般的な常識を語ることはできませんが、日本人の健康年齢がどんどん伸びて、70歳まで働くことが珍しくなくなった今の日本で半世紀前から語られてきた「プログラマー30代引退説」に固執することがいかにナンセンスかご理解いただけると思います。

これからは30以上のプログラマーは珍しくない
そもそも若い人がいない
日本の高齢化を侮っては行けません。
2022年の日本の平均年齢は、47.3歳で世界2位です。
「30歳を過ぎたらプログラマーはムリ!」とか言っている場合では無いんです。
IT技術者不足が社会問題になっていますが、そりゃ30超えたら駄目とか言っている人がいる限り不足は解消しませんよね。
そもそも20代の絶対数が少ないんですから。

他の職業も高年齢化が進んでいる
内閣府発表の労働力人口の推移のグラフを見てみましょう。
労働力人口に占める65歳以上の割合は右肩上がりで上昇しているのに対し、34歳以下の労働人口は減少し続けています。
若い人がいないという事実は、IT業界だけなく、農業や工業、サービス業でも共通の社会問題となっています。
今の30と昔の30何が違う?
高齢化が進んでいる理由には、少子化以外にも、日本人の平均寿命が伸びていることも一員となっています。
健康寿命の推移を見てみると、日本人はただ長生きになっているだけではなく、健康的に長生きになっていることが分かります。
私達の周りでも60歳を超えて肉体労働に従事している方も少なくありません。

30歳からプログラマーを目指すのが不思議ではない時代に突入!
昔は60歳で定年を迎えて隠居するのが当たり前でしたが、日本人の高齢化に伴い健康に働ける平均年齢はどんどん高くなっている状況です。
今はIT技術者が不足している!
IT技術者不足の傾向は2014年頃から始まり徐々に売り手市場に転換してきています。
求人情報・転職サイトdodaの調査(転職求人倍率レポート2021年7月)では、IT・通信業の求人倍率は6.82倍で、これは他の業種と比較してもかなり高い数字となっています。
求人倍率とは、求職者一人に対して、何件の求人があるかを示す指標です。求人倍率が高い業界は、企業がより多くの労働者を求めており、経済に活気がある状況です。
他の業種も高いのでは?と疑いをお持ちの方もいると思いますので、参考までに他の業種の求人倍率を示すと、金融1.59、商社1.01、小売・外食0.67となっています。
更に職種別に見てみると、技術系(IT・通信)の求人倍率は9.68倍でこちらも非常に高いことが分かります。
数値で見てみると、IT技術者が不足していることは間違いない事実です。
年齢に関わらずプログラミングを学習する環境は整ってきた
技術者が不足しているからIT企業への転職や、フリーランスで副業をはじめることが「簡単か?」と言われれば、簡単ではありません。
特に30歳以上の転職者を受け入れている企業の多くは、実績があって即戦力となる技術者を求めています。
未経験者枠の採用では、新卒者よりも不利になるのはその後の教育コストを考えれば当然です。
企業はなるべく教育コストをかけないために人件費が安い新人の段階で研修などの教育期間を終えたいですし、育てた技術者にはなるべく長い間会社の中で活躍して欲しいと考えています。
そのため、未経験者の雇用は新卒者中心になってしまうわけです。
その不利な状況を少しでも好転させるため、転職を考えるならプログラミングについての必要最小限の知識は身につけておく必要があります。
幸いなことに、今はプログラミングを学ぶためのさまざまな手段があります。
本を読みながら、プログラムの勉強をしても良いですし、サイトや動画でも学ぶことができます。
また、転職支援に力を入れているプログラミングスクールも増えてきました。
スクールで学べば半年程度で、プログラミングについて必要最小限のスキルを身につけることができるはずです。

30代でプログラマーを目指すことに対する否定的な意見とは?
皆さんが30歳を超えてプログラマーに転身しようと考えた時、その決意に反対する人たちが必ず現れます。
そういった人たちがどのような論拠であなたの決意に反対してくるかいくつか実例を見てみましょう。
IT業界の平均年齢が若い
国が実施している賃金構造基本統計調査(令和3年)では、ソフトウエア作成者の平均年齢は37.3歳で他の業種と比較してもかなり若いと説明しました。
これだけを見ると35歳オワコン説も信じたくなってきますが、ここで5年前の平成28年の同じ調査結果と比較してみましょう。
◎職業従事者の平均年齢(IT技術者を抜粋)
職種 | 平成28年 | 令和3年 |
---|---|---|
SE | 37.4 | 40.3 |
ソフトウエア作成者(プログラマー) | 31.6 | 37.3 |
その他情報処理 | – | 41.0 |
当時のプログラマーの平均年齢は31.6歳でなんとこの5年間で5歳以上年齢が上がっていることがわかります。
繰り返しになりますが「プログラマーの定年は35歳説」は、50年以上前から古の呪文のように繰り返されてきた過去の遺物です。
あなたの周りに今だに「公衆電話に10円入れて電話している人」や「家の庭で燃えるゴミを燃やしている人」はいますか?どちらも50年前は当たり前のことでした、今はそうではありません。
なぜプログラマーの定年だけが50年前と変わらないと思うのでしょうか?

30代からプログラミングを始めても若くから始めている人に勝てない?
途中から始めた人が若くから始めている人に絶対勝てないなら、世の中のすべての仕事は転職者が不利になります。
あなたの会社では、若くから入社した人は全員優秀なのでしょうか?
確かにプログラマーとして入社した時期が遅ければ、年下の上司の下で仕事をすることになるかもしれません。
それは、プログラマー以外のすべての職で同じことです。
その会社で働き続けるにしても、条件の良い他の会社に移るとしても昇進や昇給を望むなら努力をしなければなりません。
むしろ、スキルや実績が見えやすいプログラマーの仕事は、学歴や年齢不問の実力主義です。
中途採用者でも採用後の努力で巻き返すことは十分可能です。

30代の転職では経験が求められる
中途採用者の採用で、経験や実績が重視されることは間違いありません。
これはIT技術者に限ったことではなく、多くの企業は中途採用者には即戦力となる能力を求めるためです。
ただし、最近では特に技術者不足が深刻な中小企業では、未経験の中途採用者を積極的に雇用するIT企業も少なくありません。
このことには、終身雇用制度が崩壊して一つの会社で一生働く働き方を選択する方が少なくなっていることも関係しています。
30代はまだまだ働ける世代です。未経験な職種に転職しても、新しい技術や知識をまだまだ吸収することが可能です。
30代は、体力や記憶力などが衰えはじめる
30代になると「体が思った通りに動かなくなる」、「物覚えが悪くなる」などのネガティブなことを言いはじめる人がぐっと増えます。
そういう意見を聞いた時は、「この人はそうなんだろう」ぐらいに受け流すようにしましょう。
プログラマーは、確かに体力や記憶力が求められる仕事です。
更に言えば、農業や営業、製造、飲食も体力や記憶力が求められます。
頭を使う仕事には、弁護士や公認会計士、医師や大学教授も該当します。
その仕事をする皆さんは30代がピークでその後は仕事の能力は衰えるばかりなのでしょうか?
ネガティブな意見を言う人はどんな反論をしても「すべての能力ではなく、新しいことを覚える能力のことだ」、「筋力ではなく、持久力はなくなる」などのネガティブな意見しか返しません。
皆さんが自ら「30代だと自分は新しいことを始められない」と考えるなら、プログラマーになるのはやめておいた方が良いでしょう。
そうでなければ否定的な意見はとりあえず置いておいて「どうすればプログラマーになれるのか」を次の章で一緒に考えてみませんか?

プログラムをどう学ぶ?30歳からの転職はとにかく時間が優先
就活に必要な基礎的なプログラミングの知識はスクールを利用して短期間で身につける
企業側から見れば、未経験者と経験者の決定的な違いは雇用した後の教育コストです。
プログラムが全くできない職員を配置してもチームの中で役割を果たすことはできないため、雇用した企業は研修や自習のために時間と人件費を消費することになります。
このコスト差による雇用障壁は、基本的なプログラミングに関する知識、スキルを習得しているかどうかで大きく異なります。
そのためには、採用前にどれぐらいプログラミングのスキルを高めることができるかが重要となります。
時間をかけても大丈夫なら、独学でもプログラミングを学ぶことは十分可能ですが、働いている社会人が学習に割ける時間には限界があります。
働きながら短期間で学ぶという制約がある場合は、やはりオンラインスクールを利用して効率的に学ぶことをおすすめします。
独学の場合は知識が偏ったり、学習が不十分な部分がある可能性がありますが、スクールでカリキュラムに沿って学べばそういった問題もクリアできます。
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30歳になったばかりなら転職保証のスクールも狙い目
プログラミングスクールの中には、プログラマーとして転職するまでを保証してくれるスクールもあります。
転職保証のスクールの場合は、受講条件に年齢制限があることが多いですが、受講生ごとに条件にあった企業を紹介してくれるので卒業後に就職先が見つからない事態を避けることができます。
ただし、転職保証コースの場合は、かなりの短期集中のカリキュラムになることに加え、自分が希望する企業に入れるとは限りませんので注意が必要です。
転職保証コースで紹介対象となっているIT企業の中には、雇用条件が良くない企業も含まれます。
また、転職保証のコースは受講料がかなり割高になるのでご注意ください。
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卒業後、系列の会社で働くことを条件に受講料無料をうたうスクールもありますが、卒業後の雇用条件は念入りに確認する必要があります。
ブラックな企業が従業員を確保するためにスクールを隠れ蓑にした労働者確保をしていることが多いためです。
当サイトは、受講料無料のスクールをおすすめしませんし、今後も受講料無料のスクールをサイト内でご紹介することはありません。
実践的なプログラミングの知識は仕事をしながら積み上げていくもの
どんな仕事のスキルでも、学校で学んだことがそのまま実践で通用することはありません。
自分で実際にWebサービスやソフトの開発をしていく過程では、「そんなこと初めて聞いた」というポイントが無数に出てきます。
そんなときには自分で情報収集をしたり、他のエンジニアに聞いたりしながら自分のスキルを高めていくための努力は必ず必要となります。
むしろプログラマーとして働いている間にどれだけのことを学んだかが、その後のその人の評価を決める重要な要素となります。
技術やスキルの新陳代謝が激しいIT分野の仕事なら、なおさら常に新しいことを学び続ける姿勢が必要となります。

今の仕事に不安や不満をお持ちの方に
これからプログラマーを目指すなら早いほうが良い
30歳未経験からプログラマーを目指す場合は、学習にかかる時間はかなり重要な問題です。
仕事をしながら勉強をする場合は、短期でプログラミングの学習をするためには相当ハードな学習カリキュラムが必要です。
「1ヶ月で習得!」などの短期間での学習計画を提案しているスクールの場合は、平日も一日中プログラミングに取り組むことを想定しています。
未経験な状態からプログラマーとして実務に従事し始めるまで(基本的なスキルを身につけるまで)に、約200時間の学習が必要と言われています。
仮に200時間を前提とした場合は、30日で休みなく学習した場合でも一日当たり6.6時間の学習が必要な計算になります。
オンラインスクールの短期集中コースは通常3ヶ月程度の受講期間になりますが、この場合でも毎日2時間以上の勉強が必要となります。
平日は残業や付き合いなどで学習時間が取れない場合があることを考えると、土日はほぼプログラミングの勉強に時間をさく必要があります。
知識が全くない状態からプログラマーとなるには、それなりの努力が必要になることがご理解いただけましたでしょうか?
もしあなたがプログラマーを目指したいならば、なるべく早くから準備を始めることをおすすめします。
今の仕事を続ける?新しいスキルを身につける?
プログラミングを覚えるのに200時間かかるという事実を受け止められない人は必ずいます。
「プログラミングなんて誰でもできるって聞いた」、「スクールは大袈裟に言っているだけだ」などの意見を聞くことがあります。
皆さんは、何の知識もない人が、努力せずにすぐ始められる仕事をしたいからプログラマーになりたいのでしょうか?
プログラマーは技術職です。
学習や訓練をしていない方が容易に始められないからこそ「高収入」と「安定」が期待できます。
今の仕事や生活に全く不満の無い方が、30代未経験の状態からプログラマーを目指すことは少ないでしょう。
多くの方は、今の仕事に不安や不満を感じているはずです。
これから先、定年退職するまで今の職を続けられますか?
それとも気力と体力がある30代のうちに自分の200時間を将来のため投資しますか?

否定的な意見に耳を貸している時間があったらまずプログラミングに挑戦してみましょう
最短でプログラムを学ぶためにオンラインスクールへの通学をお勧めしましたが、プログラミングを体験するだけならお金は必要ありません。
まずは、独学でサイトの情報や本を頼りにプログラミングを始めてみても良いかもしれません。
この記事をご覧いただいている方は、少なからずプログラミングに興味をお持ちだと思います。
実際に取り組んでみると、思ったよりプログラミングが怖くないことがわかると思いますよ。
\利用者が利用者に教えるCtoCでプログラミング講座で学べるUdemyについてはこちら/

30歳以上で実際にプログラマーになった人たちの意見は?
現役のエンジニアとして働く多くの方の共通する意見として「30歳以上でプログラマーになることはできるが楽になれるわけではない」、「プログラマーになった後のことも重要」などの意見があります。
実際にITの世界でプログラマーとして働いている技術者の皆さんは、プログラマーという職業を現実的な仕事の一つとして理解しているので、問題は「なれるか?なれないか?」ではなく「どう働くか?」にあることを実感として感じているようです。
はたして30代未経験者のプログラマー挑戦は無謀なのか?
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。
はたしてここまで読んで、30代未経験でプログラマーへ転職することが無謀だと感じましたか?
それとも自分でもできそうだと感じましたか?
農業でも製造業でもIT技術者でも、仕事は生活の糧を得るための手段でしかありません。
中には生きる目的が仕事になっている方もいらっしゃいますが、多くの方は今の生活を維持するために仕事をしているはずです。
どうせやらなくてはならないことなら、自分のやりたいことをやるのが一番だと思いませんか?
今の仕事に耐え難い不満を感じているなら、早めに今の仕事に見切りをつけてプログラマーを目指してみませんか?
100歳まで生きることが珍しくなくなった今の日本では、30歳はまだまだやり直し可能な年齢です。

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