英語動画を見れば英語力がつくのか?
英語はただ聞けば上達する?
「英語のシャワーを浴びる」「英語をただ聞き続けるだけで」などの英語学習のうたい文句を耳にした方は多いと思います。
わざわざ英語の意味を調べたり、反復練習をしなくても常に英語を聞く環境に置かれると自然に英語力が身につくという考え方です。
これは本当でしょうか?
例えば、趣味が映画鑑賞の方はたくさんいます。
日本語吹き替えではなく、雰囲気を楽しむために字幕表示で洋画を観ている方も多いですよね。
それでは毎日のように洋画や海外の動画を日本語字幕で視聴している方は、みんな英語がペラペラでしょうか?
当たり前ですが、英語を理解するためには英語を「言葉」として意識する必要があります。
子供が、日本語を聞く生活をしていると、いずれは日本語を理解できるようになるのは、家族が話しかけてきた内容を、子供自身がなんとか理解しようと努力するからです。
その言葉の中から重複する重要なワードを区別したり、同時に示された物や絵、話しかけている人の表情などから言葉の意味を類推することで、子供たちは初めて自分に向けられた音声を言語として認識します。
理解や推理の伴わない英語のシャワーは、法事の時のお坊さんのお経と同じで、そこから何か意味を読み取ろうという努力なしに英語の上達には繋がりません。

意味がわからない英語を聞き続けるのはつらいです
英語の「多読・多聴」について
英語を大量に読んだり、聞いたりすることで英語力を高める「多読」や「多聴」は英語学習法としてメジャーになっています。
この場合の「多読」は英語の絵本などの簡単な英文から順にレベルを上げていき、最終的にどんな英文でも読めるように訓練する学習法です。
意味がわからない語句がほとんどないレベルの本を辞書を使わずに大量に読んで、文中でわからない英単語を前後の文脈から類推して読み解いていきます。
多読の場合でも、意味がわからない英文を大量に「見た」からといって読解力がつくわけではありません。


単語の意味が分かっても動画がわからない?
それでは英語の学習のために子供向けのテレビや動画を大量に見る学習方法がなぜ一般化しないのでしょうか?
英語学習のためにYoutubeの子供向け英語動画を紹介しているWebサイトはたくさんあります。
英語学習のために、実際にネイティブの子供向け動画を探して視聴してみると分かりますが、多くの大人にとって興味のない子供向け番組を英語の学習のために長時間見続けることはかなり辛い作業です。
動画の内容に興味が持てないと、けっきょくは内容を理解しようという努力が伴わないため、学習効果が上がらないという問題もあります。
また、実際に視聴してみるとネイティブの子供向けの動画を理解するにはかなりの英語力が必要になります。
日本の教育番組でも、子供向けの番組だからといってゆっくり日本語を話しているわけではありません。
日本人にとって、アメリカの子供向け動画が英語学習に向いているとは言えないわけです。


動画で英語を学ぶ!?EEvideoはこんなサービス
今回ご紹介している「EEvideo」は、英語字幕に視聴者の英語レベルに応じて日本語のルビをふることで英語動画の理解を助けてくれる英語動画配信サービスです。


単純に英語動画に日本語字幕を表示するのではなく、英語字幕を追いながら自分で英文の意味を考えて理解することで、「英語の動画視聴=英語学習」とすることができます。
ラインナップされている動画は、映画やニュース、アニメなど多岐にわたります。
日本語訳の表示切り替えや再生速度の変更もできるので、自分の英語能力に応じたカスタマイズがしやすくなっています。


英語の理解を助けるためのEEvideoの工夫とは?
スラッシュリーディング
EEvideoでは文を、句や節で分割するスラッシュリーディングの学習方法が取り入れられています。
スラッシュリーディングは、文を句や節で分割するテクニックで、複雑な英文でもシンプルにする効果があります。
アメリカでは古くから移民の英語学習プログラムに採用されていて、最近では日本の高校の授業にも取り入れられています。
EEvideoでは、文全体ではなく、スラッシュリーディングのスラッシュごとに直訳を表記しているので、「直訳で意味を理解→わかりにくい部分を補足する」トレーニングを、簡単に実現できます。


例として、スティーブ・ジョブズの卒業式スピーチの一部をスラッシュで区切り、難読語にルビをふると文の構造の理解と単語の意味の把握が同時に可能になります。


更に、ルビだけの英語字幕に、スラッシュリーディングの区切りを入れた日本語訳を併記すると、単語の意味だけではわからなかった文節の部分訳もすぐに確認ができます。


さらに、日本語ではしない表現や慣用的な表現にコメントを追加することで直訳でも理解しきれない文章表現に補足がされます。


動きがない英文を読む多読とは違って、「素早く」英文を理解しないといけない動画を使った英語学習では、スラッシュリーディングのような補助的な機能があると理解が深まることが分かります。
効率的な英文の繰り返しの実現
動画の視聴中に「字幕の一覧表示」を選ぶと「日本語訳」と「分構造あり-ルビ約」で一覧表示が可能です。


このときに文をマウスクリックするところで、動画中の音声表現を確認することができます。
この動画を視聴した後で、この機能を使えばで効率的に反復練習が可能です。
「英語学習=つまらない」からの脱却、有料会員向け動画の追加
EEvideoは無料でかなりの数の動画が視聴できますが、アニメや映画作品の中には有料会員専用のコンテンツもあります。
ニュース映像やドキュメンタリーなどの無料コンテンツだけではなく、娯楽性の高い有料コンテンツを追加することで英語学習が退屈にならない工夫がされています。


期待しているから気になるポイント
無料でここまで使えるEEvideoは、英語学習の助けになることは間違いありません。
ですが、利用者として「ちょっとココは改善してほしい」ポイントもいくつかあります。
登録動画数がさびしい
多いように見えて、一つの作品が複数のセグメントに分かれているものも多いので、視聴できる動画の数はかなり貧弱に感じます。
興味あるコンテンツに出会う機会を増やすために、今後も動画本数は増やしていってほしいところ。
有料動画も、目玉となるのは「進撃の巨人」、「はなかっぱ」だけなので、できれば新作の洋画ラインナップも増やしていただきたいところです。
EEvideoは開始して間もないサービスですのでここは今後に期待が大きいところです。
動画の長さが短い
登録されている動画の多くは、約5分前後の長さの部分的な抜粋動画となっています。
せめてアニメなどの有料コンテンツについては、作品全部を視聴できるようにしてもらいたいところですが、あまり動画が冗長だと途中で飽きてしまう可能性もあるので、「ポイントだけに絞った短い動画のほうが良い」と感じるユーザーもいるかも知れません。
観たい動画を探しにくい
これからもどんどん改善されていくとは思いますが、せめて動画の検索機能については、種類や長さなどの条件で詳細検索ができると使いやすくなるのではないかと思います。



他にはないサービスだがら期待しちゃう
EEvideoは英語学習の期待の星!


「英語の勉強は退屈」という常識をなんとかくつがえそうという熱意と意欲を感じるEEvideo。
動画を楽しみながら自然と英語が上達するコンセプトは、今後も期待大です。


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